建設キャリアアップシステムについて

国土交通省は、令和5年度よりあらゆる工事で建設キャリアアップシステムの完全実施を計画しています。

これからの建設現場で、建設キャリアアップシステムの活用が進んで、なくては仕事にならない様になっていくのではないでしょうか。

デメリットよりも、システムを利用することのメリットに期待し、早期に導入し、未導入企業より優位に立つという考え方のサポートをさせて頂きます。

建設キャリアアップシステム(CCUS)とは

建設キャリアアップシステム(CCUS)とは、建設業で働く技能者の資格や現場での就業履歴、社会保険の加入状況などを登録し、蓄積した情報を基に技能者の適正評価に利用して、建設業界全体で技能者が技能・経験に応じて適切に処遇される建設業を目指しています。

若い世代の技能者の方が、キャリアパスや経験に応じた処遇の見通しを立てたり、賃金の向上を目指し。やりがいをもてる仕事環境を整えていきます。

そして技能者を育成する企業が成長していける建設業界を目指して、国土交通省と建設業団体で連携して普及・利用を促進しているシステムです。

建設キャリアアップシステムのメリット

事業者のメリット

発注者や取引先に、技能者の技能や資格、就業履歴を適切に評価することにより、企業の透明性の確保と前向きな姿勢が対外的にも対内的にもアピール出来ます。

技能者を適正に評価しようとする姿勢は、求職活動する技能者が働きたい職場としての目安となるように活用していくことも可能です。

労働者をレベル分けするため、客観的にみることに活用できます。

求職者の技能や履歴の確認も閲覧可能(本人、他社の同意が必要)となります。
求職者の自己申告に頼らず、客観的な評価も人材確保の判断材料に取り入れることが出来ます。

元請け事業者に対しても、自社の能力、技能者のレベルを客観的に提示し、自社アピールの材料にすることが出来ます。

技能者の情報が蓄積し、適正な評価をおこなうことにより、離職の予防やより良い人材の確保につながることも期待でき、企業の信頼の獲得、成長、品質向上、雇用の促進など多くの利点を活用することが出来るようになります。

技能者のメリット

建設キャリアアップシステムの技能者情報に、就業日数など勤務状況、保有資格や技能、登録基幹技能者講習の受講歴や職長経験などが登録・蓄積されます。

蓄積された情報から適正な評価を受けレベル分けされますが、レベルアップを目指して就業日数の更新や資格取得など、目標や働きがい感じることを促します。

また就業歴や保有資格、レベルなどの情報は、自己申告ではなくデータとして証明することができ、転職時に採用判断の目安となったり、求職者からの報酬の交渉に利用可能です。

いつでも自分の就業履歴を確認し、過去の勤務状況を把握できます。
転職や休職期間があっても建設業退職金共済制度(建退共)の適切な金額を受け取ることが出来るようデータが活用されます。

「特別講習Eラーニング」を受講することが可能です。
よりスキルアップを目指したいという技能者は、認定職種の先端技術や施工管理者のマネジメント能力を向上を目指していくことが可能です。

技能者のキャリアアップしていくことへのやる気や事業主や求職者からの信頼などを得ることに繋がり、収入アップにも繋がるよう活用されています。

建設キャリアアップシステムのデメリット

費用がかかるデメリット

事業者登録、技能者登録共に、登録料がかかります。
事業者登録については、5年に一度、更新ごとに0~2,400,000円が必要となります。

技能者についても、10年に一度、更新ごとに2,500円または4,900円の登録料がかかります。そして、CCUSの特徴である技能者のレベル分けに関しても、レベル判定や

また、管理者ID利用料11,400円(一人親方2,400円)が毎年必要となり、事業者は、登録料と事業者ID利用料の費用が必要となります。
その他にも、現場利用料が現場一人当たり10円、カードリーダー購入費などがかかります。

手間がかかるデメリット

登録の為の必要書類をそろえる、登録の手続きをする、カードリーダーの準備などの手間がかかります。更新時にも更新手続きの手間が増える為、中小企業、個人事業、一人親方の負担が増えてしまいます。

現場でのカードリーダの使用や、カードリーダーの使用方法の周知などのを行う必要があります。

2023年建設キャリアアップシステム登録の原則化について

2023年には、建設キャリアアップシステムの登録が原則化となりますが、登録によるデメリットを考えるより、登録するメリット、登録しないデメリットを考えいく方が、より大きなメリットとなるのではないでしょうか。

データの蓄積は、技能者様一人一人の仕事の履歴として残り、それが評価され、技能者様一人一人のやる気や仕事の質が上がることで、事業者様を支え、事業者様の業績が上がることで、技能者様に還元される。
結果、建設業界の発展に繋がり、日本の未来に繋がるとと考えられます。

様々なデメリットはあるのですが、一人の技能者様と事業者様が日本の未来を支えているデータの蓄積だと考えることも出来ると思います。

建設キャリアアップシステムはそんなシステムではないでしょうか。

クリア行政書士事務所は、兵庫県神戸市の「CCUS登録行政書士」として建設業で働く皆様を応援しています。